遺留分特例を受ける流れと方法

特例を受けるための流れ

遺留分の民法特例を受けるには、

 

①推定相続人全員及び後継者の合意

 

全員が合意し、合意書を作成する必要があります。

○合意書の主な記載事項

  1. 合意が後継者の経営承継の円滑化を図ることを目的にしている
  2. 後継者が先代経営者から贈与等により取得した自社株式・事業用資産の価額について、遺留分の計算から除外する旨、または、遺留分の計算に算入すべき価額を固定する旨
  3. 後継者が代表者でなくなった場合などに、後継者以外の者がとれる措置
  4. 必要に応じ、推定相続人間の衡平を図るための措置

以上です。ただ、フォーマットが用意されていますのでそれを使用できます。

 

②経済産業大臣の確認

 

後継者は①の合意をした日から1カ月以内に必要書類等を添付し、経済産業大臣に確認申請する必要があります。

○主な作成書類

  • 確認申請書
  • 確認証明申請書
  • 合意書

○主な添付書類

会社経営・・・定款、登記事項証明書、従業員数証明書、決算書類、上場会社等でのない旨の誓約書、印鑑証明書、先代経営者・推定相続人及び後継者の戸籍謄本等、その他

個人事業・・・印鑑証明書、先代経営者・推定相続人及び後継者の戸籍謄本等、認定支援機関の確認書、先代経営者の3年分の確定申告書

 

③家庭裁判所の許可

 

②の確認書の交付を受けた後継者は、確認を受けた日から1カ月以内に家庭裁判所に申立をして、許可を受ける必要があります。

特例を受けるための要件

 

 

【会社経営の承継の場合】

①会社

  • 中小企業者であること
  • 合意時点において3年以上継続して事業を行っている非上場企業であること

②先代経営者・・・過去または合意時点において会社代表者であること

③後継者

  • 合意時点において会社代表者であること
  • 先代経営者からの贈与等により株式を取得したことにより、会社議決権の過半数を保有していること

【個人事業の承継の場合】

①先代経営者

  • 合意時点において3年以上継続して事業を行っている個人事業者であること
  • 後継者に事業の用に供している事業用の全てを贈与したこと

②後継者

  • 中小企業者であること
  • 合意時点において個人事業者であること
  • 先代経営者からの贈与等により「事業用資産」を取得したこと