経営承継円滑化法の概要

①目玉は事業承継税制

非上場株式等の贈与税・相続税の納税猶予及び免除

都道府県の認定を受けた中小企業の株式贈与や相続について、納税猶予や免除が定められています

 

個人事業者の事業用資産に関する贈与税・相続税の納税猶予及び免除

都道府県の認定を受けた個人事業主の株式贈与や相続について、納税猶予や免除が定められています


②遺留分に関する民法特例

後継者が遺留分権利者と合意を得て、手続をすれば相続開始後に遺留分についての紛争を防止できる。

具体的には、

  1. 除外合意・・・生前贈与した株式や事業用資産等が遺留分算定の基礎となる価額から除外されるため、遺留分侵害請求されなくなる
  2. 固定合意・・・株式の価値を合意時に固定し、その後の価値の上昇分は遺留分価額に算定しない。そのため、後継者が株式の価値を上昇させても利益を害されない(個人事業主は使えない)

 

③金融支援

事業承継(M&Aも可)に必要な資金について、都道府県知事の認定を受ければ、融資と信用保証の特例が受けられる。

具体的には、

  1. 日本政策金融公庫等の特例融資・・・中小企業代表者、事業を営んでいない個人が対象
  2. 中小企業信用保険法の特例・・・中小企業代表者、事業を営んでいない個人が対象

 

④所在不明株主に関する会社法の特例

都道府県知事の認定を受け所定の手続を経れば、所在不明株主からの株式買取りに関する期間を短縮できる。

現行の会社法では5年以上、所在不明株主に対する通知を継続して到達しない場合に、株式買取手続等手続ができる。

これを、1年に短縮する特例